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7 概要計画
7−1 ウォータージェットカッター工法による省力型双胴雑海藻駆除船
7−1−1 設計概念
【1】概要
本計画では
《1》磯焼けまたは石灰質植物の除藻は除く。
これは、今回対象とする地域では特に問題は起きていないことによる。
《2》礁部分の海流の変化に影響を与えない。
これは、今回対象とする地域は、古へより地形的、海流的にコンブの繁茂に適地形であると捉え、その自然の地形を変化させないことを目的とする。
《3》小面積の除藻を考え、除藻は根部の掘り起こしを対象とする。
《4》対象地区では現在高圧水噴射による方法でノズル部を潜水夫による除藻作業が行われている。
といった点を考慮し、潜水夫の高圧水噴射による除藻を代置する船舶として計画する。
本船の特徴は、次のとおり。
?@動揺の少ない双胴船型とするとともに、除藻作業用の開口を中央部に設けることで舷側作業と比較して安全性の向上を図る。
?A高圧水を噴射するノズルユニットは次のとおりとする。
・ノズル・ユニットは、開口より自重により降下させることとする。
・ノズル・ユニットと海底との間隔の保持に留意し、ノズル・ユニットを雪ゾリ形の架台に組込むこととする。
・ノズル・ユニットの移動を油圧式ウインチの自動運転により行うこととする。
?B除藻前及び除藻後を確認するために海中透視箱を開口後部に設置する。
?Cすべてのウインチは主機関駆動の油圧ポンプを動力源とすることとする。
?D作業時の操船監視、すベてのウインチ操作は操舵室またはその後方で1名により行うこととする。
【2】総トン数
総トン数は19トン未満で、漁業者自ら従事する除藻作業を前提に考えているため極力小型の船の規模とすることとし、8トンとする。
【3】船質
本船の主船体は鋼製とする。これは、作業場所が岩礁の浅水場所であるほか、特にアルミ合金製及びFRP製にする優位性がないこと等による。
【4】船型
船型は、双胴型で中央部に除藻作業用の開口を持ったものとする。これは、小面積のこまめな除藻をも対象としなければならないこと、甲板を極力広く、かつ、船体は極力小規模とするとともに、作業中の動揺を少なくしたい等による。
また、船底接触を考慮し、船尾喫水下は半トンネル形状とし、プロペラ、舵等の突出量を少なくする。

 

 

 

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